XP祭り2018に行ってきました。
アジャイル開発の1つ、エクストリームプログラミングのイベント、XP祭りに参加します。#XPJUG
— かざいむ (@HiramotoAkira) 2018年9月8日
ということで、XPのイベント、XP祭り2018に行ってきました。
前からフォローしていたt_wadaさんのツイートで知って、申し込んだけどこういうイベントは初参加。でもアットホームな感じで参加して良かった。
基調講演はt_wadaさんで、テスト駆動開発の過去、現在、未来について。t_wadaさんの訳書、『テスト駆動開発』の付録Cをもっと掘り下げた内容のもの。そのうち資料を公開してくださるとのことでした。以下、意訳でまとめるとこんな感じでした。
開発を安心して推し進めるためのテストという理念から始まったテスト駆動開発は、途中で設計を改善する役割を強調するモック派を生み、さらにXPの理想である、ユーザーとの協働を追い求める振る舞い駆動開発(BDD)を生んだ。そして、ルールに固執する立場の人々や誤った理解によってテストをするための道具になり下がってしまった。それを受けてDHHが有名なエッセイ「TDDは死んだ。テスティングよ栄えよ」を書き、TDDの精神は失われてしまったことを宣言した。TDDの精神は失われてしまったがその道具立ては残っている。これからだ。
t_wadaさんの、現状に対する複雑な気持ちと、TDDのこれからへの希望を感じる決意表明のような講演でした。
私としては以下がお持ち帰り(takeaway)の学びでした。
講演の参考資料の本の山。
2019/1/19 追記
講演の資料が公開されていたのでアップします。
ツイート見返したら他にも学びがあったんだった。
TestingとCheckingを分ける。
— かざいむ (@kazaimu_) 2018年9月8日
テスト駆動開発でやっているのはChecking。#XPJUG
テストを書いたときに引っかかりを覚えて設計を改善していきたい。
— かざいむ (@kazaimu_) 2018年9月8日
モックは良い設計を導くための補助線。#XPJUG
午後は、@yattomさんの心理的安全性ゲームのワークショップに参加しました。心理的安全性はGoogleなどで、チームの生産性を高くするために必要な環境として最近注目されている考えです。参加前は安心して発言出来ることがチームの生産性を上げるという理解でいましたがワークショップではもう少し深い理解が出来たように思います。
ワークショップは5、6人のチームで@yattomさんが作ったカードゲームをするという形で進みました。まずは自分たちがどんなチームかを定義します。カードは大きく2種類。1.トラブルカード、2.発言カード。1人がトラブルカード(例:アポをすっぽかしちゃった!)を引いて、それに対して、他のメンバーが手持ちの発言カード(例:大丈夫、またはわたしは関係ない、など)の中から一つを選んで場に出します。で、それを受けてトラブルを起こした人は発言全体を受けてどう感じたか当てはまるマス目におはじきを置くというものです。
1回やった後で、自分たちはどんなチームかを振り返り、発言カードを選び直してもう1度同じようにゲームを行います。これはやってみると、なるほどと思うこともあるのでぜひやってみてもらいたいです。私のお持ち帰りの学び(takeaway)はこんなところでした。
- チームによってどういう価値観を重視するかは異なる
私たちのチームはラオスにオフショア開発しているチームと定義したので、一緒に頑張る、安心して話せるというのが挑戦よりもより大事な価値観だと考えました。 - プラスとマイナスの発言があるとゼロにはならない。どちらかというとマイナスに引きずられる。プラスだけだと空気は何倍にも良くなる。
これはうちのチームでの傾向でしたが、マイナスの発言カードがあると、他の人がプラスの発言カードでも前向きになりにくく、逆に、プラスの発言カードだけだと相乗効果でとてもプラスになりました。
1回目のゲームの様子。おはじきは少な目。
次の時間は川鯉光起さんの副業についてのワークショップでした。長期的なキャリアは一度脇において、今のスキルや得意なこと、興味があることから副業として何ができるか考えようというものでした。後半ではお互いのスキルの共有を行い、他の人がどんなことに興味があるのか、どういうスキルがあるのか見て回りました。
このワークショップのお持ち帰り(takeaway)はこんな感じです。
もっと色々出来る気がしてたけど書き出すとあれれ、な感じに。
次の時間は短い講演を挟みました。すみません、ちょっと疲れてあまり集中して聞いてなかったです、、、。
その次の時間のこの日最後に参加したワークショップは森一樹さんの振り返りを振り返るというワークショップで、グループに分かれてこれまで参加したプロジェクトなどの反省会についての反省を行いました。どんな環境、メンバー、時間帯、進め方が盛り上がったか、次やる時にはどんなことをやったらいいかなどのアイデアを共有しました。講師の方の進め方も分かりやすく、メンバーにも恵まれとても楽しくアイデアの共有ができました。
このワークショップのお持ち帰り(takeaway)はこんな感じです。
- 振り返りは事前の準備(メンバー、環境など)、進め方、終わった後など色々と改善のポイントがある。
- 自分は当日の進め方に考えがいきがちだけど、お菓子を食べながら、ギャグをいいながらなど影響する要素はたくさんある。
- 対話を行うのか、議論を行うのかで進め方は変わってくるかも。
- 話をゆっくり聞いてもらいたい人もいるのでゆとりある環境でやる。
森一樹さんからブログについてフィードバックもらえたので下に貼り付けておきます。なるほど!ありがとうございます。
"話をゆっくり聞いてもらいたい人もいるのでゆとりある環境でやる。"
— びば(森のフレンズ)/技術書典6 ふりかえり読本 学び編 (@viva_tweet_x) 2018年9月9日
ゆっくり自分のペースで話をする、というグランドルールを全員で合意出来ているとなおよいですね!そのためには十分な時間や、リラックスできる空間も必要です。 https://t.co/bqbwKkKIe7
"対話を行うのか、議論を行うのかで進め方は変わってくるかも。"
— びば(森のフレンズ)/技術書典6 ふりかえり読本 学び編 (@viva_tweet_x) 2018年9月9日
基本的には対話ベースのほうがよいと思っています。意思決定をする場ではないので、対話でアイデアを広げ、深めていきます。全員が対話を意識するためのアイスブレイクを入れるだけでも、効果があります。#ふりかえり
記事書いた直後にテーマの近いツイートが流れてきたので XP祭りとは関係ないけど貼っておきます。
会議は「対話」と「議論」の時間を分離するだけでまとまる。主語が自分で感情を共有する「対話」と主語がプロジェクトでこのプロジェクトの成功の方法を考える「議論」の時間を明確に分けるとスムーズ。対話と議論を同時間でやると主語も目的も違うのでまとまらない。
— 秋好陽介@ランサーズ (@AkiyoshiYosuke) 2018年9月12日
ほんと色々と楽しかったし、もう少し反芻したい経験をしました。
ありがとうございました!