フェイクニュースを他山の石としてメディアリテラシーを高めたい
ツイッターである記事についてのツイートを見た。その記事では、すしざんまいの社長がソマリアの海賊を漁業で生活できるように支援し、数年後に海賊はいなくなったというものだ。
なにも考えずにいい話だな、と思っていたけどフェイクニュースだった。完全に信じ込んでしまった。間違ったニュースを出すのも良くないけど、間違ったニュースに気付かず信じてしまうのも良くない。だからちょっと反省した。次に同じ過ちを犯さないように記事をもう少し読んでフェイクニュースと気づけるポイントを拾ってみた。
2015年のフェイクニュースが復活。当時すしざんまいさんに確認しましたが、ソマリアにはまぐろを陸揚げできる港がなく、またすしざんまいは「冷凍倉庫や流通設備」していないので、沖合で捕獲しセーシェルで陸揚げしたとのこと。つまり、海賊は漁師になっていないし、なんの仕事もあげていません。 https://t.co/sODaScZNha
— Yukari Umemoto/梅本優香里@アフリカビジネスパートナーズ (@umemotoyukari) 2021年12月23日
まず、この記事は肝心のすしざんまいの社長に話を聞いた日時が書いていなかった。また、発言の後に社長がいつどんな施策が行われたかが書かれていない。全部社長の談話の引用で、何が行われたか事実がない。
また、社長が何かやったならそれが原因として推測できるような情報があるべきだけど、社長の話を受けて、数年後に海賊がいなくなった、とだけ書かれている。
そもそも、この話は良い話だけど、ビジネス的に解決できるならなぜそれまで解決しなかったのか、解決できるならとっくに商社とかが取り組んでいるはず。この辺りの疑問を持つべきだったと思う。
もちろん、いろんな情報を適宜収集するべきだと思うが、入ってくる情報すべてを精査するわけにもいかない。そうすると入ってくる情報を減らすか、入ってきた情報をより精査するか、別の情報源にあたるなどする必要があるだろう。
メディアリテラシーでいうと、この本だったか、この著者から直接聞いたか忘れたが、ドイツの歴史教育では資料を基に議論をしていく形で歴史を学ぶ授業が行われていると聞いた気がする。聞いたのもずいぶん前だし、教授方法も変わっているかもしれない。ただ、文章や資料を批判的に読み込むというのはとても大事だと思う。