DeNA QA Nightに行ってきました。 #dena_qa_night
いまから参加。#dena_qa_night
— かざいむ (@kazaimu_) 2018年11月27日
最近テストとは?品質とは?と思っていたのでDeNA QA Nightに行ってきた。そこそこ面白かった。QAの人たちのためのイベントといった印象だったのでどんぴしゃじゃなかったものの取り組み方や前提の話などに触れられたのが良かった。イベントはデバッグ工学研究所の松尾谷さんとDeNA品質管理部の河野さんが登壇。
松尾谷さん「テストの広さと深さ、どっちが大事?」
この話はQAが何を誰に対して保証すべきかという話でとてもスケールの大きな話だった。ソフトウェアのOSS化に伴い、OSSの品質を誰が負担しているのか。Webサービスの隆盛とともに、品質保証の役割が変わり、伸び盛りのサービスを下支えするものであると同時に、人気を博しているサービスが急落するリスクを避ける、リスク対策としての品質保証であるとのこと。このような観点からすると旧来型の品質保証を標準化したり、プロセス定義を行うようなプラクティスからは脱却すべきではないかとのこと。話が壮大でなるほどー、という感じ。
私は松尾谷さんの過去の発表資料が参考になった。
10年前の講演資料。コンパクトにまとまってて良い。https://t.co/pp4ZxuO46L#dena_qa_night
— かざいむ (@kazaimu_) 2018年11月27日
あと、この辺りのツイートのトピックも面白かったです。
現代のサービス型ビジネスで、品質のパトロンは誰か、お金を出してくれるのは誰か? #dena_qa_night
— na0ya (@__na0ya__) 2018年11月27日
松尾谷「情報そのものの質が問われる世界となっている。QAの本質は“良否の判断が出来ること”。
— あきやま🍠 (@akiyama924) 2018年11月27日
これまでは仕様(有則、禁則、無則)に対しての良否の判断で良かったが、今は同じものに対する市場の良否判定が短期間に変わる時代となってしまった。どうしたら良いか?」 #dena_qa_night
QAにおける仕様化の本質
— Fumikazu Fujiwara (@freddiefujiwara) 2018年11月27日
有則:定義されてる起こってほしいこと
禁則:定義されてる起こってほしくないこと
無則:仕様に書いてなくて無害な事
ほとんどの場合無則だらけ無則が無害な事まで確認すべき #dena_qa_night
特に、有則、禁則、無則という分類は考える補助線になる良い表現だなと思った。一緒に行ったJSTQB認定テスト技術者試験に合格したプロジェクトメンバーは聞いたことがあると言っていたので、この試験のシラバスを読むのもいいかも。
http://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_Version2011.J02.pdf
河野さん「DeNA品質管理部の概説と改善事例」
河野さんはDeNAに移って1年ほどだそうで、これまでの取り組みの紹介。こちらは現場の取り組みということでとても面白く聞くことができました。移ってきた当初は品質管理はそれぞれのサービス担当のチームがそれぞれの観点でテストを行っていて、プロセスや言葉の定義なども統一されていなかったそう。そこで、河野さんはPFD(Process Flow Diagram)という記法で、各チームのテストの立ち上げ、設計、実施、とそれらから得られる成果物などをフロー図に起こして業務の見える化をしたとのこと。そして、チーム間で共通するものを標準として定め、それだけでは不足する場合は任意で追加可能、不要な場合は理由を挙げて省略できるなどのルールを定めたとのこと。そして、作成した標準のテスト業務のプロセス定義の作業、成果物などの名前を統一した。
これにより得られる効果として2つほど挙げていた。1つは、リリース後の不具合発生時にテストプロセスのどこに問題があったか改善することができるようになる。もう1つは、テスト観点のベースラインを作る、データ収集、改善、などの次の施策のベースになるとのこと。
このようなボトムアップでの業務の標準化はとてもいい手法だと思った。暗黙知を形式知に出来るとともに、各チームが標準プロセスをお仕着せではなく、自分たちの標準として取り入れることができるし、標準で足りない部分や標準の要らない部分をはっきりと意識出来る。これは今後業務改善の取り組みをする際に使えるなと感じた。
プロセスフロー図のサンプルはこのサイトにありました。