かざいむ日誌

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プロフェッショナルが好きな日本人は幸せになれるのか。

昨日、友人のアメリカ人と日本人の考え方の話になった時にふと、中島敦の『名人伝』という小説のことを思い出した。あらすじはこんな感じ。古代中国で弓で立身出世をしようとした紀昌は、その腕を上達させ、最後は俗世を離れて暮らす老師の元を訪れる。弓を持たずに素手で鳥を射落として見せる老師に紀昌は感服し、弟子入りする。数年後戻ってきた紀昌からは以前のような覇気は消え失せ、無表情な人間になっていた。そして、腕前を披露するように言う街の人に対してこう答える。「至為は為なす無く、至言は言を去り、至射は射ることなし」。

中島敦 名人伝(興味のある方はこちらでお読みください)


この小説は日本の社会やメディアなどでよく見るパターンなように思う。つまり、ある道を究めることが人間的な発展につながる。また、プロフェッショナルは中庸であるべきである。また、プロフェッショナリズムの末に家族が顧みられなくなってもやむを得ない場合がある。

ぼんやりした紀昌の下敷きとなるのは、孔子の中庸、道教無為自然だと思う。

 

友人はスターウォーズみたいで面白いと大うけしてた。昔は自分にもそういった対象があればいいなと思いながら読んでいたし、まだその気持ちはあるけど何か違和感がぬぐえない。紀昌になろうとすればするほど不幸になるような気もする。