『「通貨」を知れば世界が読める』 浜矩子 PHPビジネス新書
この本なかなか面白いが内容からすると、通貨体制の歴史と日本円といったほうがよさそう。ワーグナーのニーベルングの指輪になぞらえてこれまでの通貨体制を振り返り、今後の展開をなんとなく書いている。
金融史に詳しくないので、通貨体制の話は面白かった。
・イングランド銀行(日本で言う日銀)は元々戦費調達機関だった
・商人の銀行だったので、議会はイングランド銀行をコントロールしたかった
・1944年のブレトンウッズ会議でIMFとドルを機軸とした通貨体制が成立
・2010年アメリカの一般教書演説からドル安容認が読み取れる
・中国首脳部は賃上げへの不満が人民元の高騰で多少相殺できると思ってるのでは?
・中国首脳部は人民元の高騰よりも下落を警戒している
補足
呪いのかかった黄金の指輪を神々が手にして、神の世界が没落するとか。
補足2
この本でもサブプライムローンの話が出ているが、
大事な部分がはしょられている。
サブプライムローン証券化の問題は、不良資産を嘘ついて証券にしたことも問題だが、それよりも、そのような証券が実態から乖離してリスクが低いと評価されていたことが問題。
本来は、リスクを分散する際は、相互に影響を与えないものを一つのグループとして扱うが、サブプライムローン証券では、住宅という相互に影響を与え合うものについてリスクを分散しようとしたことが問題、、、ということを別の本で読んだ。